難病と向き合い続けた25年
青春のまっ青春の真っただ中、
私はある日、突然、難病を患いました。
「ネガティブは排除し、ポジティブで病に打ち勝つ!」
そう心に決め、持ち前の精神力で闘いの日々をスタートさせました。
食事制限を徹底し、
病気に悪いとされるものは一切口にせず。
脳力開発教材を高額ローンで購入し、
心を鍛え上げる訓練に没頭しました。
自己啓発書を読み漁り、
前向きな思考を必死に身につけようとした日々。
けれど――
どれほど努力を重ねても、病状は変わりませんでした。
薬に頼って症状を抑える毎日。
それでも私は言い聞かせ続けました。
「大丈夫、未来はきっと明るい。すべて良い方へ向かっている」と。
しかし、
心の奥深くでは、いつも漠然とした不安が渦を巻いていたのです。
そして、ある転機が訪れました。
結婚生活の中で、
価値観の違いから生じる衝突が重なり、
そのストレスに押しつぶされるように病状は悪化。
何とか前向きに修復しようとするも、
関係は次第に崩れていき、
私は自分を傷つけることでしか、心を保てなくなっていました。
人生で最も深いどん底。
その闇の中で、私は初めて、
気づき始めたのです。
そんなとき、ふと――
私は気づきました。
「自分はずっと、闘い続けていたんだ」と。
治療法を探し、食事制限に耐え、
思考をポジティブに保つことに必死で、
本当の心の声に耳を傾けることを、いつの間にか忘れていたことに。
そこから、ゆっくりと変わり始めました。
自分の弱さも、迷いも、不安も、
そのすべてを受け入れていくこと。
病気と闘うのではなく、
病気とともに生きることを選んだのです。
少しずつ、
心が整い、体調も静かに落ち着いていきました。
気づけば、無理にがんばることなく、
体も心も、穏やかに安定していたのです。
目立った症状は消え、
ふと振り返ったとき――
私は、寛解という静かな場所に立っていました。
かつての私と同じように、
病と向き合いながら、
孤独と不安を抱えて生きるあなたへ。
どうか、ひとりで抱え込まないでほしい。
もう、誰にも、
あの長く苦しい時間を繰り返してほしくないのです。
難病は、敵でも呪いでもありません。
それは、生き方や心のあり方を見直すために
静かに灯される、人生からのサインかもしれません。
私はこれからも、
そのサインに耳を傾け、
ともに歩みながら――
小さくても確かな、希望の光を
あなたに届け続けていきたいと願っています。

難病サポーター
佐伯幸信
(さえきゆきのぶ)
難病をきっかけに、人生が変わった瞬間
私が難病を患いながらも、
人生を大きく好転させるきっかけとなった出来事について、
エピソードを交えてご紹介しています。
人生の大きな分かれ道に立たされたとき、
私はどのように物事をとらえ、どんな考えで病と向き合ったのか。
「病をどう“解消”していったのか」を知っていただける内容です。
同じように悩み、苦しむ方の希望の一助になれば幸いです。
ぜひ、この記事をご覧ください。
各種お問い合わせについて
以下のような内容につきましては、
お問い合わせページよりお気軽にご連絡ください。
- 当サービスに関するご質問
- お仕事やコラボレーションのご依頼
- その他のご相談・ご不明点 など
皆さまからのご連絡を心よりお待ちしております。