免疫 STEP.1

すべての人の体を護る存在

免疫という見えない均衡

私たちは普段から当たり前のように
ヒトの姿かたちを保っています。

朝起きると、間違いなく
自分の体があることを認識できます。

ときどき朝起きた瞬間に、
「私は誰で何をすればいいのか」
分からなくなる瞬間があります。

そうすると、
当たり前に日常があることが
どれだけ素晴らしいことか
実感させられるのです。

それほど人間の体は
なんだかよく分からないシステムで
均衡を保っていることが分かります。

一方で、
ヒトの“視えない均衡”が崩れたとき、

無残にも体はその活動をやめ、
朽ちていきます。

 

私が入院していた頃は
ついさっきまで元気だった
相部屋のおじいちゃんが、

突然どこかに連れていかれて
遂には戻らないという経験を
何度も目の当たりにしました。

人の死を目の当たりにしたとき、
「命はなんて脆いのだろう」
と無力感に包まれてしまったのです。

そんなことを考えるまでもなく、
健康な人でも難病患者でも
同じように体を護る仕組みがあります。

その1つが“免疫”です。

一体どんな働きを
しているのでしょうか。

 

ヒトの体は脆く弱い

私たちの体を構成している物質は
有機化合物でできています。

金属などの無機物とは違い、
とても柔軟性に富んでいます。

だからこそ、
転んだりすれば簡単に
傷になってしまいますよね。

 

金属に傷がついても
勝手に修復されることはありませんが、
ヒトの皮膚は修復しようと働きます。

傷口が治る仕組みにも免疫細胞は
一役買っているのです。

ヒトの体というものは柔軟であり、
脆く弱いともいえます。

 

ヒトの免疫が歪みつつある

例えば、
もし免疫システムが無かったら、
ヒトの体はどうなってしまうでしょう?

免疫の働きに問題が起こり、
正常に働かない状態を
“免疫不全”といいます。

免疫が正常に働かなくなると、
細菌やウイルスなどの病原体に
感染しやすくなります。

そして、
感染症にかかった時に
上手く免疫が働かないため
重症化しやすくなってしまうのです。

免疫不全によって
さまざまな症状や病態がみられる
ケースを免疫不全症といいます。

この免疫不全症の一つに
“自己免疫疾患”があり、
さまざまな病態が存在しています。

 

自己免疫疾患の患者数は
日本国内だけでも数百万人と
見積もられています。

また、
あまり認識されていませんが、
アレルギーも自己免疫疾患のひとつ
として分類することが出来ます。

現代では日本の3人に1人が何らかの
アレルギーを持っていると言われており、
潜在的な数は相当数にのぼります。

難病を患う方に限った話では
なくなってきている
のです。

 

 

ヒトの体で起こっている異変

自己免疫疾患の難病である関節リウマチは
日本国内だけで80万人を超え、
指定難病の枠から外れてしまっています。

その他の自己免疫疾患についても
患者数は増加傾向の一途をたどっており、

ヒトの体に異変が生じているのは
想像に難くありません。

本来ヒトを護るための仕組みに
なぜ問題が生じてしまったのでしょうか。

まずは、
あなたの体で起こっていることを
把握することが大切
です。

免疫について学びながら
自身を振り返ってみましょう。

 


 

いかがでしたでしょうか?

免疫は体を護ってくれる存在なのに
人体に害を及ぼすこともある。

なぜそんなことが
起こってしまうのか?

免疫は敵なのか?味方なのか?

体内で何が起こっているか
一つずつ見ていきましょう。

次回STEP.2は
『免疫は難病患者の敵?味方?』
をテーマにお話しします。

 

今回のお話は以上です。

 

最後までお付き合いいただき
誠にありがとうございました!