-人生-EPISODE.5

難病患者が思い悩む就活事情

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私の難病人生は中学時代から始まりました。

毎日元気に外で遊ぶ、ごく一般的な少年でした。

そこから一転、原因不明の難病を患い、
20年間、未来に希望を持てない人生でした。

そんな私が人生を好転して
“自らの宿命の道”に気づき、

すこやかで愉しい人生を送るまでの
人生EPISODEです。

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不利な要素は言うべきか

大学生活を終え
いよいよ社会人となります。

それでも、
ただ卒業すればよい
というわけではなく、

就職活動を自分でしたうえで
働く環境を決めなければいけない、

これまでとは違った
社会の厳しさを感じます。

 

私は就職活動をするうえで
ひとつ迷っていたことがあります。

“難病のことを告知するか”

ということです。

病気を持っていることは
相手方にとってはリスクのひとつ
として認識されてしまう、

だから、
とりあえず病気のことは隠しておいて
後から告知すればよい、

入社してしまえばこっちのもの・・・。

そんな考えが
脳裏をよぎりました。

 

でも、
大学生活の中で
病気のことを理解してくれた人たちの
存在を思い出しました。

「噓をつかない生き方でいこう」

私はそう決心して
就職活動に臨みました。

 

社会では都合よく思われない

病気のことは履歴書に書きました。

「それでも働きたい」という
想いを胸に、いざ面接へ。

しかし、
現実は厳しく
そう上手くはいきませんでした。

「体のことがちょっと心配ですね」

と、
病気を理由に
断られることもありました。

 

何社か受け、
結果はすべて不採用でした。

就職活動をしているのは
私だけではありません。

何十人も同じ会社に応募すること
だって普通にあります。

その中で「難病持ちです」という人を
率先して採ってくれるというのは
やっぱり都合が良すぎるのかな
と思い始めました。

 

私には進みたい業界があり、
その業界に関連した会社を受けていました。

「他の業界でも探してみようかな」

とあきらめかけていたとき、
たまたま近隣にチェックしていなかった
会社を見つけました。

「ここがダメだったら、
いったんあきらめよう」

そう心に決め、
採用面接に臨みました。

その会社は
これまで受けた会社とは違い
すごくアットホームな雰囲気を感じました。

病気のことは認識されていたものの
面接では私の人柄についての
質問が多かったことが印象的でした。

 

 

強い想いが持続力につながる

不安だったのも束の間、
結果はめでたく合格でした。

難病を患っていても
快く受け入れてくれた会社がありました。

そして、
私が独立するまでの間、
この会社で14年半も
勤め続けることができたのも驚きです。

それほど、
私にとって働く環境として
最適な場所だったのでしょう。

 

会社の業績が厳しい時期もありましたが、

“苦楽をともにする仲間”
“自分を認めてくれる環境”

の存在は大きな安心へと繋がり、
仲間とともに乗り越えることができました。

それは難病を患っておられる方々の
闘病生活にも共通して言えること
ではないでしょうか。

 

 

人と繋がる安心感で前進できる

お互いに理解したうえで
働けることには安心感があります。

安心があれば不安が薄くなっていき
信頼へとつながっていきます。

私が会社員時代に学んだことは、
働く環境として

病気があるなし関係なく、
“安心”は絶対条件
だということです。

 

今の社会では
人間関係が希薄になり、

人は“お金”や“労働条件”に安心を
求める傾向があるように感じます。

本来、根本的な安心とは
人と人とが心でつながっている状態から
生まれるものだと考えます。

自分のわがままを通せる環境や
相手を支配できるような環境は

自分だけが自由な生き方をできることから
安心感を抱くかもしれません。

しかし、
それは楽に生きる方法であって
根本的な安心から離れていって
いる
ように感じます。

 

確かに、
お金や支配は生きるためには
楽になる要素だと思いますが、

自分にとって良くても、
社会全体でみると歪みが生じ
巡り巡って自分に還ってきます。

『自分さえよければ良い』というのは
今の社会の混乱を招いている一因で
あるとも考えています。

 

私の提供している
難病サポートでは、

お互いの人間関係の構築は
絶対条件です。

私がいくら提供したいと言っても
信用されなければ、
提供しても効果は薄くなります。

人と人には相性があります。

必ずしも私でないといけない
理由はありません。

後のSTEPでもお伝えしますが、
人と人とのご縁はそういうものです。

それでも、
私のことを信用してくださり、
サポートを受けていただける方には

“誠心誠意、魂をこめて”
難病克服に向けたサポートに
あたらせていただきます。

 

病気ではなく“人生”を軸にして
適正化を図っていく

「難病サポート事業」は

その方との“魂”のつながりを意識して
サポートしています。

体や心はセルフケアでも
ある程度はコントロールできます。

しかし、
魂というのは扱いが難しく、
扱い方を誤れば病気を悪化させる
要因になりえると考えています。

そうならないために、
“安心”はお互いにとって
絶対条件なのです。

 

めでたく社会人として歩み始めた私。

これまでとはまた違った人との
出会いがおとずれます。

働くことは叶ったものの、
難病の症状は相変わらず続きます。

人生山あれば谷あり、
闘病の道はまだまだ険しく続きます。

~EPISODE.6へ続く~

 

 


 

いかがでしたでしょうか?

難病を患う方に限らず、
病気にまつわる苦しいエピソードは
誰しもあると思います。

「そんな苦しい話はしたくない」
と思うかもしれません。

でも、
自分の内にしまっておくのではなく、
自分の外に出すからこそ

「あぁ、こういうことが自分に
 起こっていたんだ」

と、見えてくるものがあります。

ぜひ、ご縁があった際には
あなたのエピソードを聞かせてください。

最後まで読んでいただき
誠にありがとうございました!