-人生-EPISODE.5

難病とともに生きる社会生活

不利な要素は言うべきか

大学生活を終え、いよいよ社会人に。

卒業すればそれで終わり──
ではなく、 就職活動を経て、自分で進路を切り拓かねばなりません。

学生時代とは異なる、社会の厳しさを肌で感じました。

難病のことを伝えるか

就職活動にあたって、私は迷っていました。

それは「難病を告知するかどうか」。

病気を抱えていることは、企業にとってリスクのように映るかもしれない。

ならば最初は伏せて、入社後に伝えればいいのでは── そんな考えが一瞬、頭をよぎりました。

でも、大学時代に病気を理解し、支えてくれた人たちの存在を思い出し、

「嘘をつかない生き方でいこう」

そう決意して、履歴書に難病のことを書きました。

 

社会の現実と、ひとつの出会い

病気のことを正直に伝えても、面接は厳しいものでした。

「体調面が心配ですね」

という言葉で断られることも……。

何社も受け続け、不採用の連続。

「難病を抱えている」という現実は、そう甘くはありませんでした。

それでも諦めきれず、目標としていた業界での最後の一社。

ダメ元で応募したその会社は、
雰囲気が柔らかく、面接では“病気のこと”より“人柄”を見てくれるような空気がありました。

そして──

見事、内定をいただいたのです。

 

14年半続いた職場での安心感

就職後、私はその会社で14年半勤め続けました。

病気を抱えていても、理解し合える職場、

一緒に苦楽を乗り越える仲間の存在が、何よりの安心でした。

難病を患う方にも、闘病生活を支える環境として「安心感」は不可欠です。

それは病状だけでなく、「人と人とのつながり」が生む、 心の基盤のようなものだと実感しています。

 

安心とは「人と人の信頼」

今の社会では、お金や条件ばかりが強調されがちです。

しかし本当の安心とは、

“人と人とが、心でつながっていること” ではないでしょうか。

それは、難病を乗り越えていくためにも必要な土台。

サポートにおける“魂のつながり”

私が提供する「難病サポート」では、
病気の改善だけでなく、その人の“人生”を軸に据えていきます。

人間関係が希薄なままでは、どんなサポートも届きにくい。

だからこそ、信頼関係を築くことが第一歩です。

私自身がそうであったように、
「本音で話せる存在」がいることは、病気を抱える方にとって大きな力となります。

人には相性があります。

だからこそ、
ご縁があった方には 誠心誠意、魂をこめて サポートさせていただきます。

“安心”の土台から人生を整える

病気ではなく“人生”を軸に整えていく、
「難病サポート事業」は、
その方の“魂”とのつながりを意識した支援を行っています。

体や心は、セルフケアでも整えることができますが、
“魂”は、より深いところで私たちの生き方に影響しています。

だからこそ、“安心”はすべての基盤になるのです。

 

無事に社会人としてスタートを切った私。

これまでとは異なる、新たな出会いと経験が始まります。

ただし、難病の症状は依然として続いており──

人生山あれば谷あり、闘病の道はまだまだ険しく続きます。

――― EPISODE.6へつづく ―――