-人生-EPISODE.3

難病患者が夢見た大学生活

新たな人生の第一歩

理想のキャンパスライフ――
あなたなら、どんな風景を思い浮かべますか?

・思う存分に学べる環境
・語り合える仲間との出会い
・未来の夢へ挑戦する毎日

私にとっての大学進学は、
「やっと人生のスタート地点に立てた」
そんな気持ちを抱かせてくれるものでした。

科学者として社会に貢献したい――
その思いで、“化学”を専攻し、
胸を高鳴らせながら、大学生活が始まりました。

 

広がる世界、夢のような日々

大学生になると、
学業だけでなく、サークル活動やアルバイトなど、
活動の幅が一気に広がります。

いままで病気に縛られてきた私にとって、
その世界の広さはまさに“解放感”そのものでした。

講義の合間を縫っては、
アルバイトやサークル活動に参加し、
仲間と語らい、笑い合う。

寝る間も惜しんで楽しむ毎日。
まさに、“夢見た大学生活”がそこにありました。

――ただひとつ、大切なことを忘れていました。
私は、「難病患者」だったということを。

 

忘れていた現実

夕方から深夜までのアルバイト、
そのあとの食事や遊び――
若さにまかせて無理を重ねたツケは、すぐにやってきました。

徐々に悪化する体調、
増していく腹痛と炎症。

ついには、眠ることすらできないほどの痛みに変わりました。

「顔が青ざめてるけど、大丈夫?」

パートの方の優しい一言が、
限界を迎えていた私の心に、静かに響きました。

そうして私は、再び入院することになったのです。

またか…

入院が決まったその瞬間、
まるで地獄に引きずり込まれるような感覚に襲われました。

まわりのみんなは、元気に未来へ進んでいく。
なぜ自分だけが、こんなにも取り残されてしまうのか。

「私って、人生を楽しんじゃいけないのかな…」

真面目に、まっすぐ生きてきたつもりなのに。

そう思った私は、あるときふと、
“バカになって生きてみる”ことを決めたのです。

 

完璧じゃなくていい。自分を取り戻すということ

しっかりやらなきゃ。
人に迷惑かけちゃいけない。

そんな思いに押しつぶされていた私が、
少しずつ、力を抜けるようになっていきました。

「できないことは、無理にやらなくていい」

この気づきが、後に私が伝える
“人生好転の秘訣”につながっていきます。

治らなくても、生き方は変えられる

難病が治ればもちろん嬉しい。
でも、治らなくても人生は変えられる。

大事なのは「どう生きるか」。
それを決めるのは、あなた自身です。

私が提供している「難病サポート事業」は、
病気そのものではなく、“人生”を軸にして伴走していくサポートです。

病気に悩む方が、
ほんとうの自分を取り戻していくその過程で、
結果として「難病の寛解・克服」がついてくる。

それが、私の考えるサポートのかたちです。

夢にまで見た大学生活のはずが…

最大級の難病悪化という試練を経て、
私の大学生活は大きく揺らぎはじめます。

ここから、さらなる人生の谷へと
物語は進んでいきます。

――― EPISODE.4へつづく ―――