医学・医療 STEP.9

難病への氣の持ち方

遺伝子から視た難病の未来

遺伝子操作はすでに行われている

遺伝子操作は多くの方が気づかない
ところに日常に組み込まれています。

今回は遺伝子組み換え技術について
取り上げていきますが、

自己免疫疾患の発症の一因に
なるかもしれない、

というお話です。

遺伝子操作といえば
“遺伝子組み換え技術”を
思い浮かべますよね。

遺伝子組み換え技術は
特定の遺伝子を取り出し、

必要に応じて改変した上で
作物などに“新たな性質”を
持たせる手法です。

すでに大豆やトウモロコシなどで
現実に存在する技術として
一般的にも知られています。

この遺伝子組み換え技術と
ゲノム編集技術は遺伝子という
共通のものを扱うため、

同じようにみえますが、
まったく別のものとなっています。

医学の未来とあわせて
お伝えしていきます。

 

自然の摂理が教えてくれる

遺伝子組み換え技術とゲノム編集技術は
人間が関与するスタンスが異なります。

前述の遺伝子組み換え技術は
作為的に遺伝子を改変させる技術。

対して、
ゲノム編集技術は特定の遺伝子を切断し、
生物に備わるゲノム修復機構によって

自然に起こる遺伝子の変化を人為的に
誘発することを手段としています。

遺伝子の直接的改変はせずに
あくまでヒトとして自然な在り方で
ヒトの体に介入する手法です。

この手法による
次世代への遺伝は無いとされていますが、

遺伝子治療の標的が生殖細胞の場合、
その可能性は否定できません。

ただ、
ヒトの体はすべてにおいて
自然界とつながっています。

生殖細胞でないからといって、
まったく影響がでないとは
言い切れません。

 

特に難病という病気は
さまざまな因子が複雑にからみあい

病気の発症を引き起こしていると
考えられているからです。

 

病気は適応する一つの手段

“進化医学”
という分野をご存知でしょうか。

ヒトの病気を生物進化の観点から理解し、
予防・治療を考えようとする学問です。

例えば、
自己免疫疾患は「自己」「非自己」の
変化によって引き起こされるという
仮説があります。

-免疫-STEP2でお伝えした
“自己寛容”という機能から分かる通り

ヒトには自身の体を攻撃しない免疫の
仕組みが生来備わっています。

しかし、
ウイルス感染などの大きな影響により

絶妙な免疫システムのバランスが崩れ、
自己と非自己の識別に影響を及ぼして
いるという考え方があります。

古来からいくつもの文明を超えて
生きてきた痕跡はヒトの遺伝子に
蓄積し変化をとげていきます。

文明の変化による環境の変化により
従来は有利であった遺伝子も、

環境がかわれば不利になる
可能性もあります。

自然界とヒトはつながっており、
環境の変化に伴いヒトの機能にも

自然界とのトレードオフが存在すると
考えるのが進化医学の根底にあります。

その観点でみると
病気というものはヒトが環境に適応する
ための一つの形であるともいえるのです。

 

 

遺伝子の9割は未知の領域

ヒトゲノム計画により
ヒトのDNA配列情報の解読は
完了したとされていますが、

ヒトゲノムの約90%は
その機能を解明できていない遺伝子
で構成されています。

ヒトゲノム研究が
深さを増していくにつれて

人類が蓄積した遺伝子情報を
目の当たりにする未来が
くるかもしれません。

実はあなたの病気は
これからの未来を生きていくうえで

必要となる資質を含んでいる
可能性だってあるのです。

偏りのない眼で物事を観ていくよう
心がけて
みてください。

病気というものについて
意外だった側面が視えてくる
かもしれないです。

 


 

いかがでしたでしょうか?

昨今話題となった
コロナウイルスの存在には

“生物多様性の破壊”に
一因があるのではないか、

という見解があります。

ヒトは古来より長きにわたり
自然界と共に生きてきました。

現代医学は、
植物・動物・鉱物などに倣うことで
その進化を遂げてきており、

自然と医学は
切っても切れない関係なのです。

次回、最終STEPです。
『医学を集結し難病根治に挑む』
をテーマにお話しします。

 

今回のお話は以上です。

最後までお付き合いいただき
誠にありがとうございました!