薬 STEP.6

難病への氣の持ち方

ステロイドは難病の万能薬?

魔法のようなステロイド剤

ステロイドという薬の存在は
多くの方が知っているほど
一般的に認知されています。

しかし、
馴染みがあるからといって
安易に受け入れてしまうと、

後の人生に大きく影響してしまう
ことは意外と知られていないです。

今回は、
「魔法の薬なんてないよ」
という話です。

 

難病の治療時によく使用される
“ステロイド”の存在。

重症化した際に使用されることが多く
私も長期に渡る使用歴があります。

ステロイドを投与すると
本当に魔法のように
症状が良くなるのが分かります。

「すごい薬だ!」

 

と難病改善に期待を抱くものの、
薬の副作用について調べていくうちに
現実を突きつけられる思いでした。

ステロイドとはいったい、
どんな薬なのでしょう?

 

ステロイドも対症療法薬

ステロイド剤は副腎でつくられる
「副腎皮質ステロイド」という
ホルモンに由来した薬です。

生来、
ヒトの副腎(腎臓の上部)では
コルチゾールなどのホルモンが分泌され
抗炎症作用などの働きを担っています。

しかし、
副腎疲労などによりコルチゾールの
分泌が低下した状態になると
さまざまな体の症状が現れるのです。

難病にステロイドを投与するのは
体内の副腎皮質ステロイドを補うことで
炎症反応を抑えるためです。

ヒトの体に備わったしくみを
利用したすごい薬です。

ところが、
良い面だけではありません。

強い副作用があり、
長期間の使用で全身にさまざまな
副作用を生じる可能性があります。

 

代表的なステロイドの副作用

ステロイドの副作用として
代表的な事例を3つ挙げます。

①免疫力の低下

ステロイドの投与により、
体の免疫機能が低下します。

そのため、
風邪やインフルエンザなどの
感染症にかかりやすくなります。

 

②満月様顔貌(ムーンフェイス)

脂肪の代謝障害により起こります。

“ムーンフェイス”と呼ばれる、
脂肪が顔に沈着して丸顔になります。

 

③骨粗しょう症

ステロイドは
骨をつくる細胞の働きを弱くします。

また、
腸や腎臓でのカルシウムの
吸収を低下させます。

さらに長期使用により、
骨強度が低下し骨折しやすくなります。

 

これ以外にも副作用の可能性があり、
病気に関わる部位以外にも
影響を与えるほど強い薬です。

そのため、
重症のみに使用を限定し、
投与量を減らしながら代替薬に
替えていく流れが必要となります。

ただし、
急な減薬は“リバウンド”と呼ばれる
症状悪化につながるので必ず医師と
相談の上で行う必要があります。

これは、
ステロイドを投与することで
血中のホルモン量が安定し、

副腎でのホルモン生成が行われなく
なってしまうからです。

この状態が長期間続くと
副腎は次第に萎縮してしまう

いわれています。

 

 

 

ステロイドはあくまで選択肢

一度ステロイドを投与し始めると
体調も安定するため、

中々そこから
抜け出せない場合が多いです。

これは、
ヒトの体に薬を投与することで
体の本来の働きが行われなくなる
という現象が起こってしまうから。

でも、
ステロイドに頼らない
病気の安定方法は他にあるはずです。

その方の病態によって
方法も変わりますが

「ステロイドしかないんだ!」

最初から決めつけないことが大切です。

フラットな視点で治療方針を
考えていきましょう。

 


 

いかがでしたでしょうか?

ステロイドについて
何となくイメージできたのでは
ないでしょうか。

もうひとつ
歴史的な薬の発見について
お伝えします。

細菌による感染症に対抗する
“抗生物質”の存在があります。

この抗生物質を巡って
ある問題が浮上しているのです。

次回、STEP.7は

抗生物質が難病患者を脅かす

をテーマにお話しします。

 

今回のお話は以上です。

最後までお付き合いいただき
誠にありがとうございました!